なぜか頼れるお父さんと言われる心理デザインカウンセラーの一水みゆきです。
過干渉な母親との癒着を手放し、優等生をやめてありのままの自分で生きる娘の物語「私ときどきレッサーパンダ」
なぜか頼れるお父さんと言われる心理デザインカウンセラーの一水みゆきです。
今日は子供と見れそうなアニメだな〜と思って年末に息子と見た映画。「私ときどきレッサーパンダ」があまりにも刺さる内容だったので心理学的に解説しながらシェアしようと思います。この物語は過干渉な母親との癒着を手放し、自立して自分らしく生きる娘の物語だったのです…。
あらすじ
舞台は1990年代のカナダ・トロントのチャイナタウン。そこに暮らすメイは伝統を重んじる家庭に生まれ、両親を敬い、母親の期待に応えようと頑張る13歳の女の子。
でも一方で、親には理解されないアイドルや流行りの音楽も大好き。恋をしたり、友達とハメを外して遊んだり、やりたいことがたくさんある側面も持っていた。
そんな、母親の前ではいつも “マジメで頑張り屋”のメイは、ある出来事をきっかけに本当の自分を見失い、感情をコントロールできなくなってしまう。悩み込んだまま眠りについたメイが翌朝に目を覚ますと…なんと、レッサーパンダになってしまった!
この突然の変身に隠された、メイも知らない驚きの〈秘密〉とは?一体どうすれば、メイは元の人間の姿に戻ることができるのか?ありのままの自分を受け入れてくれる友人
。メイを愛しているのに、その思いがうまく伝わらずお互いの心がすれ違う母親。様々な人との関係を通してメイが見つけた、本当の自分とは――。
告知文から下の解説は、多少ネタバレしておりますので映画を先に見たい方は回れ右!
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※以下ネタバレありますので注意!!
子供と母親は必ず癒着します。そしてその母親に反発することっていうのは、自立につながる=いわゆる反抗期。自分らしさをどんどん認識していって、お互いに親と子供は別の人格であるって認め合うためには必要なプロセスなんです。
この映画はそのプロセスを見事に描いた内容なんですね。そしてちょっと現代的なのが、やっぱり核家族化して増えてきた干渉の母親、という部分にスポットを当てた内容だと思います。
大なり小なり母親っていうのは、子供が心配なので過干渉になってしまいがち。実際私の母親もそうでしたしね。
この監督は日本のアニメに影響を受けていて、となりのトトロとか、らんま1/2の日本の漫画からも影響を受けて作ったそうです。そもそも変身するレッサーパンダが、らんま1/2に出てくるパンダになるお父さんに似てるんですよね(笑)
もちろん内包されたテーマっていうのは結構深いなあって思うんですけど、何も考えず見る分には子供も全然楽しめる内容のアニメです。
でもアニメだと思って侮って見ていたら、なかなか深いテーマだったので今回は心理学的に解説したいなあと思います。
そもそも子供と母親って、私は必ず癒着するなって思ってるんです。そもそも自分のお腹の中で育ててきて、産まれたら産まれたでおっぱいあげたりミルクあげたり。一人じゃ何もできないからずっと一緒にいる。
もちろん自分で出来ることが増えてきても、結局はまだ一人ではできないことが多い。それに今の日本の現状ですと、やはり母親が一緒に居る時間が長い。そうなるともう癒着するのは必然ですよねぇと思います。
というか母子はほぼ癒着していると言っても過言ではないと思ってます。ただその度合いがね、人生に影響が出てくる程度なのかどうか?っていうところが問題なのであって。別にお母さんと癒着すること自体は問題ではないと私は思います。
今回のお話は、主人公のメイと、母親のミンの母娘の物語。このお母さんはすごい教育ママだし、娘に対してすごい干渉なんですね。でも本人は子供のことを愛するあまりやってるんだなーというのは見てて分かるんです。
悪気があってやってる感じじゃないですよね。でもやっぱり自分の娘は優秀だから、成績は必ずオールAじゃなきゃいけないし、習いごともフルート。娘が大丈夫かこっそり学校の外から覗いて様子を見るべったりな母親。
もちろんメイちゃん、もお母さんのことがすごく大好き。だからお母さんが言うとうり成績優秀でいるために頑張ったり、習い事も一生懸命。でもちょっとやんちゃな友達もいる普通の女の子なんですね。
メイちゃんはお母さんが大好きで喜んでほしいと思うんです。彼女に限らず優しい人、そして頑張ったらできちゃう人はお母さんの望みをかなえようとする。お母さんが喜んだら嬉しい、そのためついつい頑張っちゃう。そういうことは多いんだろうと思います。
主人公のメイちゃんもお母さんの望む優秀な娘でいるし、そんな自分であることを誇りに思っているんです。ただある日突然、感情が高ぶるとレッサーパンダに変身しちゃうという出来事をきっかけにして本当の自分らしさに気づいていく。
もともと優等生だったメイちゃんなんですけど、思春期の変化もあり男の子に興味が出てきたり。友達と4TOWNというすごく大好きな、ボーイズグループのファンなんです。
でもお母さんクラシックとかそういうのが好きで、こんなアイドルボーイズグループには興味もないし、こんなものを好きなんていけません!ってお母さん。だから陰でこっそりファンをやってる。
余談ですけど、モデルはバックストリートボーイズとかインシンクらしいです。懐かしい。ファンクラブに入るくらいめちゃくちゃ大好きでしたねぇ〜、BSB。
そんな4TOWNが自分たちの街にライブでやって来る!でもライブは200ドルが必要。もちろん子供である自分にそんな大金を用意できないし、ましてやお母さんは否定的だからチケットを買ってほしいとお願いしてもダメって言われてしまいます。
でも友達とみんなで、4TOWNのライブに行くためにお金をなんとかしようよって計画を立てるんです。それは、自分がレッサーパンダに変身することを利用してグッズを作ったり、撮影会や握手会をしたりして、チケットを買うためのお金を貯める。
チケットのお金を貯めるために、みんなと頑張る過程で普段優等生をやっている自分ではなかなか出来ない羽目を外したことをいっぱいする。お母さんの望む優秀な娘からはどんどん外れていって、イキイキしてるんです。
友達も今のアンタのほうが好きだよって言ってくれる。レッサーパンダに変身することによって、本来の自分らしさが出てきて、みんなと目標に向かって頑張っていくにつれて自分らしさがどんどん出てきます。
順調にお金を貯められたんですが、最後の方でとうとうお母さんにバレてしまいます。友達と頑張っていることも、4TOWNのことも否定されちゃう。レッサーパンダを利用してお金を得ていることにめちゃくちゃ怒るお母さん。
私の優秀なメイちゃんがこんなことするなんて!こんな友達と付き合ったせいね!私の娘が自分からこんなことをするわけがない!怒ってその場からメイちゃんを連れていきます。メイちゃんはお母さんの言うとうりずっとやってきたし、お母さんのガッカリする顔を見たくない。
だからお母さんの手をとってみんなと別れてしまう。ここで影の薄いお父さんが出てきて大活躍(笑)優秀で真面目なメイもいいけど、レッサーパンダになってハチャメチャやってる楽しそうなメイもパパは好きだよって受け入れてくれるんです。
それもきっかけにしてやっぱり友達と一緒にいたい!やっぱり自分はみんなといたいし4TOWNのライブに行きたい!そう思って家を抜け出して4TOWNのライブに行くんです。
もちろん後でバレちゃって今度はめちゃくちゃでかいレッサーパンダに変身したお母さんが乱入してきて、怪獣大乱闘みたいになっちゃうんですけど(笑)
でも最終的には二人は和解するんです。これが私。4TOWNが好きだし、友達とバカ騒ぎするのも楽しいの!だからママの理想のいい娘ではもう居られないの!ごめんねって伝えるんです。思わず「メイちゃん頑張ったね〜」って思いながら見てました。
でもここがまたすごいんですが、母親は母親で自分の母親(メイちゃんから見ると祖母)から優秀な娘を求められ続けて、私はお母さんが思ういい娘にはなれないって悩んでいた過去があったんです。同じことを自分の娘にもしていわけです。
ここでは親子間の連鎖っていうのが描かれているんです。要はお母さん自体も自分のお母さんからいい子でいること、優秀な娘でいるいうこと。それをずっと求められてきたという悩みが垣間見えるんです。でも自分の娘はそれを乗り越えた。
メイちゃんは私はこのままレッサーパンダに変身する自分で生きていくことを選ぶんです。封印することもできるんですが、レッサーパンダに変身しちゃう自分も含めて私だから!と受け入れる。ありのままの自分で生きていくということを選びます。
自分で自分の人生を切り開いたメイちゃん。見ていてすごくスッキリしたし、共感できました。こんなふうに自分らしく生きることを肯定できたら、すごく楽しい人生を送れるだろうなと思って見ていました。
お母さんの思う娘ではいられない。自分が好きなことをして生きていきたい。いい娘でいられない。
その事に気づいて、殻を破って生きて行く。きっとこのメイちゃんと同じようなことをして生きてきた人も多いんじゃないかなと思うんです。
きっとそんな人には勇気をもらえるし、スッキリする映画だと思いますよ〜!おすすめです。ディズニープラスで配信中ですので気になる人はぜひ!
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さよなら さよなら さよなら また明日。
心理デザインカウンセラーの、一水みゆきでした。
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